不動産売却では検査済証が大切？検査済証がない場合の売却方法を解説

「検査済証」は不動産売却において重要な役割を果たす書類です。
検査済証がないと買手が付きにくく、スムーズに売却できない可能性があります。
ここでは、不動産売却で必要な検査済証について、その重要性とない場合の売却方法も併せてご紹介します。

不動産売却で重要な検査済証とは？売却しやすさへの影響は？

不動産売却で重要な役割を持つ検査済証とは、新築した建物が建築基準をクリアしていることを証明する書類です。
建物を建てるには「建築確認」と「完了検査」の2つの審査を通過しなければなりません。
工事前には建築確認申請書とともに工事の概要が記載されている建築概要書を提出して、建築基準法に適合しているかを審査する建築確認が必要です。
工事計画に問題がなければ、建築確認をクリアした証明として「確認済証」が発行されます。
工事後には、建築した建物が建築確認でチェックした図面通りに建築されているかを確認する完了検査が必要です。
図面通りに施工されていれば、完了検査をクリアした証明として「検査済証」が取得できるのです。
建築基準をクリアした物件の証明になることから、不動産売却時に検査済証がない場合、売却が難しくなるため注意しましょう。

不動産売却の際に検査済証がないとどうなる？重要な理由とは

不動産売却において、検査済証が重要とされる理由を3つご紹介します。

違反建築物は住宅ローンが利用できない

不動産が法律に違反している「違反建築物」である場合、住宅ローンが利用できません。
住宅ローンが利用できないと買主が限定されて、不動産売却しにくくなります。

違反責任は買主も追求される

違反建築物は、前の所有者が建築した物件でも所有者にまで責任が及びます。
厳しい行政命令などを受け、違反箇所を解体することも考えられるでしょう。

増築や用途変更ができない

増築や用途変更する既存建物は法令に従って建てられたものでなければなりません。
検査済証がないと適法性が認められず、工事がおこなえないのです。

検査済証がない場合の不動産売却方法

中古物件は、検査済証がない場合が多くあります。
国土交通省の調べによると、平成10年における建物全体の検査受験率は38％でした。
検査済証がない物件を不動産売却するには、いくつかの対策方法があります。

台帳記載事項証明書を発行する

検査済証を紛失してしまった場合、市役所などで「台帳記載事項証明書」を発行してもらいましょう。
台帳記載事項証明書があれば、検査済証を取得した物件として扱われます。

既存不適格建物は検査済証がなくても適法

物件を建築した当時は適法でも、法改正により不適合となった物件を「既存不適格建物」といいます。
建築基準法では、既存不適格建物が法改正後の基準に適合しなくても、適法な物件なのです。
既存不適格建物は「12条5項報告書」を役所に提出すれば検査済証と同等の証明となります。

まとめ

検査済証がない物件は買手が付きにくく、不動産売却が難しくなります。
それぞれに適切な対策をおこない、物件をスムーズに売却しましょう。
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